2025年7月23日から25日にかけて東京ビッグサイトで「第11回 猛暑対策展」(主催:一般社団法人日本能率協会)が開催されました。数多くの企業が出展したなか、注目を集めた商品やサービスをご紹介します。
深部体温を下げつつ塩分やクエン酸を摂取できる「リポビタンアイススラリー」
水分の中に微細な氷が分散したアイススラリーは、氷をそのまま飲めるため、深部体温の低下に効果的とされています。大正製薬株式会社の「リポビタンアイススラリー」はその特性を活かし、さらにクエン酸やビタミンB群、発汗で失われやすい塩分を配合しています。キャップ付きのため、一度に全部飲みきれなくても再冷凍ができて利便性が高く、担当者は「発売から4年目になりますが、毎年、前年の倍以上の売れ行きを見せています」と話します。「リポビタンウォーター」は、500mlの水に溶かすだけで飲めるパウダータイプの商品です。100mlあたり2.6kcalと低カロリーなうえ、パウダータイプなので場所をとらずに保管できる点が好評だそうです。


ドライアイスで首元・脇の下を急速に冷やす「氷点下ベスト」
-79℃のドライアイスで働く人を急速に冷やすのが、株式会社チクマと株式会社櫻製作所の「氷点下ベスト」です。ベストの首元と脇の下にあたる部分にポケットがあり、そこにドライアイスを入れることで、着用時に効率的に体を冷やせます。酷暑でも3時間以上冷たさが保たれるため、出勤時と休憩時にドライアイスを入れるだけで済み、手間もかかりません。出展ブースでは実際に「氷点下ベスト」を試せるため、担当者は「あまりの冷たさにびっくりする人が多いですね」と手ごたえを感じていました。15~17秒に1個のドライアイスが製造できる機械は、レンタルまたは購入が可能です。火気厳禁の職場などを中心に導入が進んでいます。


通気性を高めた画期的な使い切りの防護服「LIVMOA🄬」
防護服は有害物質の侵入を防ぐため密閉性が高く、防護服を着用する職場は熱中症リスクの高さに悩まされています。そこで東レ株式会社が開発したのが、「LIVMOA🄬」です。粉じんや水、油などすべての有害物質を防ごうとすると通気性が損なわれるため、東レ株式会社はあえて粉じんや水、油と汚れの種類ごとに防護服を開発。たとえば水滴よりも小さい穴が開いた布を使うことで、空気は通すものの水は通さない防護服が実現しました。「経験や技術力を活かし素材を使い分けて開発しました」と、担当者は胸を張ります。性能を実感してもらうため、無料サンプルも用意しており、公式ホームページから申し込みが可能です。
https://www.livmoa.toray/


スポーツ現場で実践される熱中症予防「プログラム」と緊急時対応「アイスバス」を紹介
株式会社ユーフォリアは、今回の展示会で「事業者向け熱中症対策プログラム」と「熱中症緊急対応アイスバス」を紹介しました。「事業者向け熱中症対策プログラム」は、1日3回体重測定をするだけで、体重減少率から脱水症のリスクを検知し、アラート通知をするシステムです。担当者は「自分がとるべき水分量がわかっている人は多くありません。体重減少率から必要な水分量がわかるので、水分を摂取する習慣が身に付きます」と説明します。酷暑の作業現場で熱中症が発生した際、重症化を防ぐためには深部体温を迅速に下げる必要があります。そんなときに活用できるのが、氷水を張った「熱中症緊急対応アイスバス」です。2025年から発売し、建設現場などですでに導入されています。


現場の声から生まれた冷感スプレー「クールワーカー」
手軽に導入できる暑熱対策アイテムとして注目を集めていたのが、東神電気株式会社の「クールワーカー」と「クールワーカーロングボディシート」です。担当者は、「当社はもともと電柱回りの架線金物の製造・販売を手掛けています。暑いなかで作業する方々からの要望を受け、『クールワーカーシリーズ』を開発しました」と振り返ります。気化熱の作用を利用したアイテムで、スプレーするだけで1時間から1時間半冷感が持続します。特徴は業務用なので、950mlと大容量である点です。「クールワーカーロングボディシート」は作業終了後に全身を拭けるように、長さ75cmと大判サイズに仕上げています。こちらも業務用なので100枚入りと大容量です。


今回の展示会では、急速に体を冷やせるアイテムや現場の細かいニーズに対応した商品が目立っていました。Vol.2でも引き続き来場者の関心を集めたアイテムをご紹介します。

