猛暑対策展レポートVol.2

2025年7月23日から25日にかけて、東京ビッグサイトで「第11回 猛暑対策展」(主催:一般社団法人日本能率協会)が開催されました。会場では、ビジネスシーンから日常生活まで幅広い場面で役立つアイテムや商品が数多く紹介されていました。

「Biore 冷タオル」は開けるだけですぐに冷やせる手軽さが好評

花王株式会社の「Biore 冷タオル」は、冷却ウォーターが染み込んだ厚手シートが個包装された暑熱対策アイテムです。体にのせると気化熱の作用によって、のせる前の肌温度から-3℃の状態が1時間持続します。首からシートを下げたまま作業ができるように、長めにつくられている点が特徴です。担当者は「前もって冷やしておく必要がなく、使いたいときに開ければすぐに使えます」と説明します。そのため、配送業や外回りが多い営業職の方などが持ち歩くだけでなく、テーマパークやイベントなどに持参する人も多いそう。スポーツイベント会場で来場者にプレゼントする事例もあり、さまざまな場面で活用されています。

エアコン開発技術を活かし-20℃を実現した「ウェアコン」

株式会社富士通ゼネラルが展示したのは「ウェアコン」です。担当者は「当社は駅から遠く、通勤時の暑さ対策として技術者がエアコンの技術を活かして開発しました」と振り返ります。本製品は第4世代となり、これまで寄せられた顧客の声を反映しながら改良を重ねてきました。廃熱に水冷方式を採用しているため効率的に熱を逃がすことができ、首元に装着すると頸部など3カ所を急速に冷却し、最大で外部温度に対して-20℃まで冷えます。実際に試した来場者のなかには、あまりの冷たさに驚きの声をあげる人もいました。弱に設定すれば7時間連続して使用可能です。また、冬場は暖房として利用できるので、1年中使えるのもメリットと言えます。専用バッテリー付きで販売されており、鉄鋼業界や建設業界、農業や製造業など幅広い業種で採用されています。

温度測定とチェックリストで熱中症を防ぐ「熱中症予防対策プログラム」

職場における熱中症対策が義務化され、管理者に求められる業務が増えています。株式会社ニフコの「一般企業向け熱中症予防対策システム」は管理者の負担を軽減しつつ、効果的な熱中症対策が実行できるシステムです。センサーが周辺の温度や湿度、WBGT値を測定。担当者は「データはクラウド上で保存されるため、管理者はわざわざ現場の温度計を確認しに行かなくても状況を把握できます」と説明します。10分ごとに値が更新されるので、最新のデータに基づいて作業の継続や中断の判断ができます。さらに、厚生労働省が実施している「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」に基づいたチェックリストが用意されているので、対策漏れも防げます。「熱中症予防対策プログラム」は、2026年から販売予定です。

水だけあれば深部体温の上昇を防げるベスト「BODYCOOL SMART-X」

株式会社スリーライクが出展した「BODYCOOL SMART-X」は、ベストに芯材が内蔵されており、500mlの水を入れるだけで水が浸透し、体を冷やしてくれるアイテムです。人は発汗することで体温を調整しますが、ベスト内の水が汗の代わりとなって体の熱を奪い取り、深部体温の上昇を防ぎます。担当者は「ファン付きのベストと一緒に使えば、気化した水により長時間涼しい状態が続きます」と強調します。ストレッチ素材を採用しているので、作業性も確保されています。水があれば使える手軽さと、火気厳禁の職場でも利用できる安全性から、ガス会社や航空会社、電力会社、製造業、ガソリンスタンドまで、幅広く導入されているそうです。また猛暑時、突然災害に見舞われた場合「避難所で充電をしなくても水のみ」で熱中症対策が可能とのことです。

14年以上ロングセラーの「ひんやりシャツシャワー」から業務用が登場

株式会社ときわ商会の「ひんやりシャツシャワー」は、雑貨店を中心に販売されている冷感スプレーで、2011年に発売されました。特許を取得した冷感技術により、衣類にスプレーするだけで30分から1時間にほど清涼感が持続します。「リピーターが多く、お客様からは『よく使っているよ』とお声がけいただいています」と担当者は笑みを見せます。ブースでは衣服にスプレーをして、冷感を確かめる来場者の姿も見られました。今年からは業務用を新たに販売。一般用と同じく詰め替えも可能です。さらに、ブースでは「ひんやりふくだけシャワー」も展示されており約30cm×32cmの厚手のシートで、全身を拭いたり首に巻いたりできます。

「クールミストLine🄬」は濡れないミストにより導入ハードルを下げる

一般的に、ミストを使った暑熱対策システムは水が噴き出るため、周囲や人が濡れてしまいます。東横サポート有限会社の「クールミストLine🄬」は、1分間にわずかティースプーン1杯分の水を細かいミストとして噴射することで、周囲を濡らさないのが特徴です。対象物が濡れないため金属加工工場や印刷工場などでも導入可能です。担当者は「エアーコンプレッサーを使って動かすので、すでにエアーコンプレッサーがある工場では簡単に設置できます」と力を込めます。専門の業者に依頼しなくても、自分たちで設置できるのもメリットと言えるでしょう。電力の使用量も抑えられているため環境にもやさしく、冬場には静電気や粉じん防止にも役立つそうです。

すでに真夏日や猛暑日となる日が続出し、対策が急務となるなか、手軽に利用できる商品や酷暑に対応できるアイテムが関心を集めていました。Vol.3でも、引き続き来場者の注目を集めたアイテムやサービスをお伝えします。

Vol.3に続く

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