第12回 猛暑対策展レポートVol.4

「第12回 猛暑対策展」では、新技術を取り入れた製品・サービスも数多く展示されていました。今回は、暑さ対策の次の一手を模索している企業に役立つ製品・サービスを取り上げます。

累計販売台数5,500台以上の「カオカラ」

熱中症は、発症する前にリスクを把握できれば、早い段階で対策を講じることができます。株式会社ポーラメディカルが開発した「カオカラ」は、AIを活用して従業員の熱中症リスクを判定するシステムです。従業員が画面に顔を映すだけで、AIが発汗の状態や顔色、表情などを分析し、「安全」から「高リスク」までの4段階でリスクを表示します。判定結果は管理者に即時共有されるため、休憩や水分補給を促すなどの対応を速やかに行うことができます。また、本人が体調の変化に気付いていない場合でも、管理者が異変を把握して対策を取れるため、熱中症の重症化防止につながります。担当者によると、「建設業や製造業を中心に、すでに5,500台以上販売されています」とのことです。サービスは販売とレンタルの両方に対応しており、一度導入すればアップデート費用はかかりません。

「NETSZERO 人と空間見守りセンサー」で効率的な暑さ対策が実現

株式会社ニフコは、今年から発売を開始した「NETSZERO 人と空間見守りセンサー」を展示しました。「NETSZERO 人と空間見守りセンサー」は、従業員と建物内に温度や湿度などを測定するセンサーをつけ、従業員や場所ごとに熱中症の危険度を表示します。建物内の面積が大きい場合、すべての場所を冷やそうとすると莫大なコストがかかりかねません。場所によっては、ほとんど従業員がおらず、冷やす必要がない場場所もあります。センサーを使うことで、必要度に応じて暑さ対策ができるので、効率的な運用が実現します。スタジアムなど屋外でも使いたいという声が多く寄せられており、外用のセンサーも用意しています。

アイススラリーが簡単につくれる「アイススラリー冷蔵庫」

熱中症対策に効果的とされるアイススラリーを手軽につくれる「アイススラリー冷蔵庫」を開発したのが、シャープ株式会社です。水やお茶以外の糖分が含まれるペットボトル飲料を庫内に入れておき、取り出した際に手で叩くなどの衝撃を与えるとアイススラリーとなる仕組みです。2025年からレンタルを開始し、すでに900社以上が採用しているそうです。担当者は「退勤時にペットボトルを補充しておけば、翌日の勤務時に摂取できます」と話します。また、同社は「適温蓄冷材」も展示。近年、暑熱対策の一つとして手のひらを冷やすことが注目されていますが、保冷剤はずっと握っていると、冷たすぎると感じる人も少なくありません。「適温蓄冷材」は12℃を保っているので、快適にクーリングできるうえ、休憩時間に使いやすいように手で握りやすいサイズに設計されています。

ファンの径は127cmと巨大な冷風機「クールスペース」

クールスペース ジャパンの「クールスペース」は、アメリカ製の気化熱を使った冷風機です。使用すると、-3℃から-7℃の冷却効果が得られます。サイズは3種類あり、「グレイシャー18」はファンの径が45cm、「アバランチ36」は同90cm、「ブリザード50」は同127cmとサイズが大きいのが特徴です。設置工事が必要ないうえ、キャスター付きなので、作業する場所に移動させて使うことが可能です。倉庫や工場のほか、小中学校の体育館などで採用されています。担当者は「クーラーに比べると省エネで、電気代も抑えられます」と強調します。一度購入し、効果を実感した企業がリピーターとなるケースも見られるそうです。

企業向けユニフォームを扱う企業が「空調服🄬」のリースを開始

都ユニリース株式会社は、今年から「空調服🄬」の販売・リースを開始しました。もともと同社は、一般企業を対象にユニフォームの販売や管理、リースなどを手掛けてきました。昨年、企業の熱中症対策が義務化され、多くの企業がその一環として「空調服🄬」を採用するなか、オフシーズンの保管をはじめとした管理を担うことで、企業の負担経験を狙います。リースの場合、オフシーズンに各企業に貸し出していた「空調服🄬」を回収・メンテナンスをし、保管します。担当者は「衛生管理を徹底している工場で保管するので、お客様にも安心していただけます」と話します。同社のサービスを利用すれば、「空調服🄬」の導入のハードルが下がるでしょう。

今回、全4回にわたって「第12回 猛暑対策展」の注目製品・サービスを紹介してきました。会場を取材して印象的だったのは、暑さ対策が単に「身体を冷やす」「水分を補給する」といった対策にとどまらず、ウェアや装備品、休憩環境の整備、センシングやAIを活用したリスクの可視化など、さまざまな方向へ広がっていることです。

働く人を暑さから守るためには、職場や作業内容に応じて複数の対策を組み合わせていくことが重要です。今回紹介した製品・サービスも参考にしながら、自社の現場に適した熱中症対策をあらためて検討してみてはいかがでしょうか。

「熱中症対策.com」では、今後も熱中症対策に関する新しい製品・サービスや、企業・現場での取り組みを紹介していきます。

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